Vol.5 佐賀地域に生きづくお菓子の伝統文化

「お菓子」と「佐賀県」は、大変深いつながりと歴史があります。歴史をさかのぼると、江戸時代の頃、鎖国政策の日本の中で、長崎は唯一外国との交易を行う窓口になり、その中で砂糖や様々なお菓子が伝えられました。長崎県出島から輸入された砂糖が佐賀地域を通り、小倉へと流通して行き、その街道を長崎街道、別名シュガーロードと呼ばれています。お菓子の原材料となる砂糖が流通した事により、佐賀地域には多くの菓子店が生まれ、様々な種類のお菓子が育っていきました。そして各地域の菓子職人たちが更に長い年月を重ね、菓子技術を習得し、創意工夫を重ねながらお菓子を地域の文化として育ててきました。それ所以に佐賀地域には、何代も続く老舗店が多く存在していますし、人口比においては全国でもお菓子屋が多い地域です。菓子職人たちに作られ、その地域の皆様に育てられたお菓子が佐賀地域にはたくさんあります。現在製造されているもの、また以前製造されていたものを大枠の種類や地域を列記してみると、佐賀の丸ぼうろ、小城のようかん、今宿で作られたのが始まりと言われるのんき飴、大和の白玉まんじゅう、伊万里饅頭、多久饅頭、唐津の松露饅頭、佐賀、唐津の松原おこし、以前は佐賀県庁周辺にも松の木が多く存在し、その地名のように松原の名称がついたお菓子もありました。アイスクリーム、マシュマロ、生姜せんべい、栗ぼうろ、芋かりんと、飴菓子、キャラメル、せんべい、あられ、最中、豆菓子、米菓、おこし、あめがた、まめ板、鈴カステラ、梅鉢、その地域の地名の名前がついているお菓子、饅頭類、たくさんの種類の和菓子、ケーキなどの洋菓子など数えきれないほどの種類のお菓子が作られ、その地域に由来する様々なお菓子があります。そしてお祝い事では「須賀台」などが飾られておりましたし、「千代結び」などもあります。時代は進んでいきますが、その地域の由来や伝統製法等を大切にしています。佐賀県は歴史的にもお菓子の発展に貢献した地域と言えます。

 

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